世の中には本当に色々な特色を持った企業があるものですね!
また四季報を見ていて知ったのですが、配当性向100%、つまり純利益はまるまる配当として株主に還元するよ!という企業があったのです!
お子さんやお孫さんがいる方はご存知の企業かもしれませんが、知育玩具などを開発をしている「7865 ピープル」が、まさかの配当性向100%の企業でした!
「7865 ピープル」は女の子用のおもちゃ「ぽぽちゃん」を作っている企業だといえば分かる方も多いのではないでしょうか。(今でもCMやってますもんね!)
私も「ぽぽちゃん」ではないですが、ピープルのおもちゃを子供に買ってあげたことがありますが、おもちゃ自体が比較的安くて、自分の子供に買ってあげるのに重宝する会社なんですよね。
でもまさかこんなエキセントリックな配当政策を行っている企業だとは知りませんでしたよ。
開示情報の質がすごい!
投資目線で見た「7865 ピープル」は、今まで見てきた企業の中で最も透明性の高い企業だと評価できます。
毎月「月次業績」を公表しているんですが、これがまたすごいんです。
これは公表されている月次業績の一部ですが、単月ごとに売上高から税引前純利益、また総資産なども公表しています。
さらに期初からの累積業績も前期分と共に記載されているので、今月までにどのくらい売り上げていて、利益がいくら出ているかも比較検討できてしまうんですね!
なんと投資家に開けた会社でしょうか!
かなり感動しませんか?
私はこの開示にはかなり感動しました!
配当性向100%は成長を放棄している!?
配当性向100%は配当金をもらうときは嬉しいものですが、当然弊害もあります。
下の表は過去10年の総資産と利益余剰金の推移ですが、ほとんど変化していないことがわかります。
つまり、企業としては成長していないんですね…
企業は利益を出して、その利益を基にさらに成長するための投資をしていくものと考えていますが、ネガティブな言葉を使うと「7865 ピープル」は企業の核である成長を放棄しているともいえます。
もちろん「成長を放棄している」は言い過ぎなのはわかっています。
今後ますます少子化が見込まれる日本だけでなくアメリカに進出していますし、今後知育玩具の需要が高まる中国にも進出を進めています。
しかし、利益余剰金が増えないわけですから、企業として成長するための大規模な投資が難しくなるのも事実です。
配当性向100%は片や「7865 ピープル」が企業として成長する際の足かせにもなっているわけです。
配当性向100%って実はよろしくない政策なのでは?
残念なことに利益というものは安定しませんので、配当性向100%の企業は1株あたりの配当金も不安定になってしまいます。
もちろん配当性向を設定している企業にも同じことが言えますが、配当性向30%の企業と配当性向100%の企業では、利益余剰金の積立具合など、企業の価値の上昇に大きな違いがあります。
配当性向30%の企業なら、残りの70%を企業の成長に使えますからね!
また、配当金目的の投資なら、1株あたりの配当金が安定している企業の方がいいに決まっていますから、そもそも配当性向を公表している企業は投資対象に向かないとも言えます。

「配当性向100%」という言葉には実際惹かれますし、配当性向の高い企業は魅力的ではありますが、今後大きく成長する見込みのない企業には投資したくないですね。
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