8月10日の場中に平成30年6月期の決算が発表されましたが、同時に発表された株主優待廃止のインパクトがあまりに大きかったようで、恐ろしい株価の下落に見舞われています…
間違いなく平成30年度6月期の業績が思ったほど伸びていないことや、今期の業績予想が減益だからといったことでは説明できない暴落です。
以前、株主優待を目的とした投資に憧れるけど、ちょっと荷が重いという記事を書きましたが、まさか優待株投資家でもない私が被弾するとは思ってもいませんでした…
株主優待廃止でYahoo!ファイナンスの掲示板は、ここのホルダーになって以来一番の盛り上がりを見せています(涙)
正直なところ、個人的には株主優待を廃止することについては特段批判的ではありませんが、優待導入から廃止発表までのスパンがあまりに短すぎたことが事を大きくしてしまったと推察しています。
冷静に決算短信を確認したいと思います。
平成30年6月期の業績は?
売上高は前年比14.2%増の26億7,500万円、営業利益は1.3%増の4億2,600万円、経常利益は3.9%増の4億1,600万円、純利益は5.2%増の2億6,800万円でした。
ただ、今回は広告宣伝費に株主優待費用(5,163万円)を計上しているため、これがなければ営業利益は4億7,700万円と、前期比13.5%増になっていた計算になります。
株主優待なんて導入しなければ、立派な増収増益と言われたんでしょうね…
今期の業績予想は?
今期は増収減益予想となっています。
売上高は27億円(0.9%増)、営業利益は3億6,000万円(15.5%減)、経常利益は3億5,000万円(16.0%減)、純利益は2億1,000万円(21.9%減)となっています。
減益予想ですが、前期ほど不動産販売による利益が出ないことと人件費増を想定しているためだそうです。
30年6月期の利益は2億円以上は不動産販売分が乗っているのと思われます。
今期は不動産販売による利益は1億3,000万円くらいを想定しているんじゃないかなと勝手に思っているわけですが、差分の7,000万円が利益として乗っていたとしたら、大方前期と同じような利益になったんではないでしょうか。
個人的には不動産収益を除いた本業の方が心配です。
売上高は伸びているようですが、利益がなかなか上向かないでいるように感じます。
また、ビルオーナーの強気姿勢によりサブリース獲得に苦戦しているようで、これも懸念事項ですね。
株主優待廃止は正しい選択だったか
株主優待制度導入を発表したのは今年の3月5日です。
それまで株主は5,000人を超えるくらいでした。
その後、6月末には株主が37,871人となり、株主優待関連費用として、5,163万1千円かかる事になったようです。
株主優待は株主1人当たり約1,360円の費用がかかる計算になりますね。
エリアクエストは株主優待導入により株主が10,000人程度になると想定していたようです。
そうなると、株主優待に関する広告宣伝費は1,360万円程度を見込んでいたわけですから、3,800万円の負担増は企業側からすると厳しいところがありますね。
ただ、株主10,000人想定はどう考えても見積もりが甘いです。
20,000円程度で1単元買える銘柄で、且つ1単元の保有で1,000円のクオカードが貰えるとあってはとりあえず1単元だけ買っておくという人が多くなるのは当然です。
まあ、4か月足らずで30,000人以上株主が増えるとは、さすがに想定出来なかったでしょうけど。
優待関連費用が想定よりもかかることが優待廃止の原因であれば、ほかにやりようはあったと思えてなりません。
株主優待対象を500株以上の保有者に限定するだけでも十分効果があったと思います。
株主優待制度導入発表から半年もたたずに廃止すると発表したらどうなるか、その程度は考えて欲しいものです。
今回の優待廃止によって投資家からの信用は大きく毀損しています。
優待廃止ではなく、もっとソフトランディングできる方策を考えたほうが良かったように思えてなりません。
むしろ企業の財務体質を強化すべきではないか
優待廃止に変わり、今季から2円増配をするとのことですが、1円増配するごとに2,250万円の負担が生じます。
年4円だと、9,000万円ですね。
純利益が2〜3億で、利益余剰金が5億円程度しかない企業なのですから、見栄を張らずに内部留保を厚くする方向に舵を切った方がいいと思いますが、どうするんでしょうか。
配当金もこのまま年4円が続くとは考えないほうがいいのかもしれませんね…(信用していません)
とはいえ、業績自体を見て考えると、売る選択はする必要もないかなと考えています。
明日からどう株価が動くかわかりませんが、安くなるなら買い増しも検討したいですね。
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