iDeCoや積み立てNISAの影響もあってか投資信託、特にインデックス投信は人気が高い今日この頃です。
その一方で蚊帳の外なのがETF。
ETFもインデックス系統のものばかりなのに、国の方針がこうも違うのは釈然としません。
ETFの取引額は年々伸びていってはいるものの、資金が流れるETFは限られているのが現状です。
iDeCoでも積み立てNISAでもETFを買えるようにしてくれれば、板の薄いETFも減るのになぁと思うのです。
ただし、今の制度のままiDeCoや積み立てNISAでETFが買えるようになっても、大量の資金がETFに流れ込んできてしまうため、ETFの市場価格が基準価額と大きく乖離してしまう懸念もあります。
そこで期待したいのが7月2日から開始予定のマーケットメイク制度です。
マーケットメイク制度とは
マーケットメイク制度とは、ETFの流動性を向上させるためにマーケットメイカーと言われる値付け業者が売り注文と買い注文を出し続けるものです。
これにより流動性の低いETFでも売買がしやくすなるメリットがあります。
例えば次のような流動性が低く、売買しにくいETFがあったとします。
売数量 | 価格 | 買数量 |
20 | 1005 | |
20 | 1004 | |
10 | 1001 | |
1000 | 10 | |
999 | 30 | |
995 | 50 |
これがマーケットメイク制度が導入されると次のようになります。
売数量 | 価格 | 買数量 |
600 | 1003 | |
600 | 1002 | |
500 | 1001 | |
1000 | 500 | |
999 | 600 | |
998 | 600 |
板気配と価格の幅が改善されるんですね!
東証は特に資産形成に必要だと考えられる指数連動型のETFにはインセンティブを与える方針を示していて、メジャーな指数は網羅されています。
本当にどうでもいいことですが、Jリートや海外リートの指数に連動するETFは特にインセンティブが大きいみたいです。
もしかしたら「2515 NEXT FUNDS外国リート為替ヘッジなし」に対してマーケットメイカーが他のETFよりもやる気を出してくれるかもしれませんね!
マーケットメイク制度には期待しています!
マーケットメイク制度の導入に期待しているのは、現状全くと言っていいほど流動性のないETFに流動性をもたらしてくれることです。
以前、野村 NEXT FUNDS 外国債券ETFの出来高が少なすぎて買う気が起きない、というか買えない でも書いたように、NEXT FUNDS 外国債券ETFの流動性はほぼ皆無です。
買いたくても買えない、売りたくても売れないから買いたくない、という負のスパイラルにはまっているETFです。
こういうETFには会心の制度になると思います。
一方で、すでに一定の流動性があるETFに対しては不安を拭いきれないのも事実です。
ジャスダック市場では、平成20年3月までマーケットメイク方式を採用する銘柄がありましたが、スプレッドがあまりにも広く、買って売るだけで大きな損失になるなど失敗に終わったと言っていい過去があるようです。
今回はスプレッド幅が予め狭い範囲で制限されていますので、そのようなことにはまずならないと思いますが、このあたりは制度の運用が始まってみないとわかりませんね。
何はともあれ、ETFをより資産運用にふさわしい投資先とするべく、マーケットメイク制度には期待をしています!
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