今月は米国債券の利回りが上昇しています。
米国10年債券の利回りは昨日(1/28)時点で2.66%まで上昇しています。
昨年末は約2.4%だったことを考えると、1か月弱で約0.24%も利回りが増えていることになります。
これは率でいうと14.4%の上昇です。
上昇率で見ると、ものすごくインパクトがありますね!
きっかけは中国
1月10日、中国の外貨準備に関わる当局者が米国債券の購入量を減らすかまたは停止するよう提案した、との報道がありました。
これがスイッチとなり米国債の下落がスタートしたわけです。
中国は世界一の米国債保有国です。
その米国債を最も保有する中国が米国債に否定的な発言をしたとの報道ですから、米国債の市場価格が下がっても仕方ありません。
一応、翌日の11日には、中国から「そんなこと言ってない」という見解が発表されています。
しかし市場価格の下落は治りませんでした。
また、その後の円高も重なり、現在米国債ETFは1月10日以前と比べて大きく値を下げている状況です。
実際米国債券ETFはどうなったのか
これは「1656 iシェアーズ米国債7-10年ETF(ヘッジなし)」のチャートです。
赤矢印が1月10日でして、報道後に市場価格が下がり続けているのがわかります。
円高傾向が見られることや、今後もアメリカが利上げを行っていく方針であることからも、米国債券ETFの市場価格が上昇する要因が想像できません。
おそらく元の価格に戻るには結構な時間が必要なんじゃないかと思うのです。
むしろ、今後も市場価格は緩やかに下がっていくのではないでしょうか。
今が買い時ではないが買っておいても損はしないと思う
米国債を買う方(米国債券ETFを含めて)は長期保有を目的とするケースが多いでしょうから、ここで買っておいてもいいと思います。
いつかはアメリカの利上げも終わり、利下げ局面に入ります。
その時には市場価格が上がっていると思うからです。
もちろん為替リスクがありますので、為替ヘッジありのETFや投資信託を買うというのも一つの手ですよね。
また、債券ETFや投資信託は、順次新たに売り出された米国債を運用のため購入していきますので、例え今は利回りが低い債券で運用されていたとしても、少しずつ利回りが高い債券が組み込まれていきます。
利上げが続く限り、債券ETFや投資信託の市場価格は下がるかもしれませんが、分配金や再投資される金額は増えていく可能性が高いので、なかなか美味しい状況だとも言えます。
今がベストな買い時ではないかもしれませんが、米国債のETFや投資信託を積み立てていくのにはいい時期だと思います。
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